背景にある理論:現代ポートフォリオ理論(MPT)とは
インデックス投資の最大の根拠となっているのが、1952年に経済学者ハリー・マーコウィッツ氏が提唱し、後にノーベル経済学賞を受賞した「現代ポートフォリオ理論(Modern Portfolio Theory: MPT)」です。
それまでの投資の世界では「どの銘柄が一番上がるか」という個別銘柄の選択ばかりが重視されていました。しかしMPTは、「資産の『組み合わせ(ポートフォリオ)』を科学的に最適化すれば、リスク(価格の振れ幅)を最小限に抑えながら、リターンを最大化できる」ということを数学的に証明したのです。
この理論において、最も理想的な分散投資の形とされているのが、市場に存在するすべての銘柄をその時価総額の比率通りに丸ごと保有する「市場ポートフォリオ」です。これを通貨や国を超えて地球規模で実現しようとするのが、現代のインデックス投資(指数連動型投資)です。
仕組みとメリット:平均点を取り続けることの強さ
インデックス投資とは、日経平均株価や米国のS&P500、あるいは全世界の株式市場の値動きを示す指数(インデックス)と同じ成果を目指す投資手法です。投資信託やETF(上場投資信託)を通じて、数百〜数千社に自動的に分散投資を行います。
この手法の最大のメリットは、「プロの投資家の8割以上に長期で勝ち続けられる」という不都合な真実に基づいている点です。多くのファンドマネージャーが市場平均を上回ろうと分析を重ねていますが、頻繁な売買にかかる手数料や税金が足かせとなり、長期的には手数料の安いインデックス投資に勝てないことがデータで証明されています。
また、特定の企業が倒産しても全体への影響は極めてわずかであるため、個別株のような「一発退場」のリスクがありません。
実践のロードマップ
- 投資対象(指数)を決める: 最も王道なのは、世界の経済成長に丸ごと投資できる「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(全世界株式)」や、米国を代表する500社に投資する「S&P500」です。
- 低コストなファンドを選ぶ: 同じ指数に連動する商品でも、管理費用(信託報酬)が異なります。新NISAなどを活用し、信託報酬が年0.1%を下回るような「eMAXIS Slim」シリーズなどの優良ファンドを選びます。
- 購入して保有し続ける: 一度購入したら、市場が暴落しようが好景気だろうが、10年、20年といった長期でひたすら保有し続けます。



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