米半導体メモリ大手のマイクロン・テクノロジー(MU)が6月24日の取引終了後に発表した2026年度第3四半期(3〜5月期)決算は、売上高、1株利益(EPS)、業績見通し(ガイダンス)のすべてが市場予想を大幅に上回る「歴史的な好決算」となった。
この結果を受け、同社の株価は夜間時間外取引で一時約15%急騰。直近で広がっていた「AIバブル崩壊懸念」を完全に吹き飛ばす、文字通りのサプライズとなった。
驚異的な財務指標:シリコンサイクルを凌駕する「AIスーパーサイクル」
今回の決算で最も市場を驚かせたのは、その圧倒的な収益力だ。売上高は前年同期比で約4.5倍(+346%)となる414.6億ドルに達し、粗利益率は驚異の84.9%を記録した。
主要財務指標の比較(2026年Q3)
- 売上高(調整後): 414.6億ドル(市場予想:356.9億ドル)
- 1株利益(調整後EPS): 25.11ドル(市場予想:20.49ドル)
- フリーキャッシュフロー(FCF): 183億ドル(過去最高)
かつてのメモリ市場は、価格の激しい乱高下(シリコンサイクル)に翻弄されるのが常だった。しかし、現在のマイクロンは主要な顧客と複数年の「戦略的顧客契約」を締結。AIサーバー向けを中心とした高性能メモリの需要爆発により、「高利益かつ予測可能な成長」へとビジネスモデルの転換に成功している。
同社経営陣は「AI主導によるメモリ不足は2027年以降も続く」と明言しており、この爆発的な成長が一時的なブームではないことを強調した。
日本の半導体関連株への波及効果:新たな上昇カタリストへ
マイクロンの歴史的決算と強気の先行き見通しは、日本の株式市場、とりわけこれまで調整を余儀なくされていた「半導体主力株」にとって強力なメガトン級の追い風となる。
マイクロンが巨額のフリーキャッシュフロー(183億ドル)を原資に、次世代メモリ(HBM4など)への「過去最高レベルの設備投資」を予告したことから、特に以下の日本企業への恩恵が確実視されている。
1. 製造装置・検査装置の世界的巨頭
- 東京エレクトロン(8035): 前工程(成膜・エッチング)での注文拡大が期待される。
- ディスコ(6146): AIメモリ(HBM)製造に不可欠な「薄化・切断装置」で世界シェアを独占しており、最大の恩恵を受ける本命株。
- アドバンテスト(6857): 高性能メモリの積層化に伴い、同社のメモリ・テスター(検査装置)への需要がさらに爆発する見通し。
2. 半導体材料・化学セクター
- 信越化学工業(4063) / SUMCO(3436): メモリの増産に伴い、土台となるシリコンウェーハの出荷に強い追い風。
- 東京応化工業(4186): 回路の微細化に欠かせないフォトレジスト(感光材)の需要拡大。
総括:AIハブとしての半導体株、第2ステージへ
今回のマイクロン決算は、「AI需要は本物であり、供給が全く追いついていない」という事実を数字で証明した。
ここ数週間、米エヌビディア(NVDA)をはじめとするハイテク株には過熱感からの利益確定売りが出ていたが、マイクロンの大爆発によって市場のセンチメントは一気に強気へと傾くだろう。本日(6/25)の東京株式市場でも、半導体株が相場全体を力強く牽引する「主役」に返り咲くことが期待される。




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