スポーツブランドといえば、Nikeやadidasを思い浮かべる人が多いでしょう。
しかし今、投資家として注目しておきたいのが、ドイツのスポーツブランド**PUMA(プーマ)**です。
その理由の一つが、世界的に急成長しているフィットネス競技**HYROX(ハイロックス)**との関係です。
PUMAは現在、業績面では厳しい局面にあります。
一方、株価は2021年の高値から大きく下落しており、現在は「復活できるなら大きな株価上昇が狙える」という局面に入っています。
今回は、PUMAとHYROXの関係から、業績、株価、PER・PBR、そして日本からPUMA株を購入する方法までまとめます。
1.PUMAとHYROXの関係
HYROXは、ランニングと機能的トレーニングを組み合わせたフィットネス競技です。
世界各地で大会が開催されており、2026年も急速な国際展開が続いています。2027年の世界選手権は香港で開催される予定です。
そして、このHYROXと非常に深い関係を持っているのがPUMAです。
PUMAはHYROXとのパートナーシップを強化しており、ランニング・トレーニングカテゴリーを成長戦略の重要分野として位置付けています。
2026年のPUMA決算でも、HYROXとのパートナーシップがRunning・Trainingカテゴリーの成長を支える要素の一つとして挙げられています。
つまり、
HYROXの人気上昇
↓
PUMAのブランド露出増加
↓
ランニング・トレーニング用品の販売増加
↓
PUMAブランドの再評価
というシナリオが期待できます。
2.HYROX人気だけでPUMA株を買っていいのか?
ここは注意が必要です。
HYROXがどれだけ人気になっても、PUMAの会社全体の売上・利益に大きな影響を与えなければ、株価上昇につながらないからです。
PUMA自身も、HYROXだけに賭けているわけではありません。
主力は、
- Football
- Running
- Training
- Sportstyle
などです。
特に現在はRunning・Trainingの強化が重要になっています。
2026年2月にはTrainingを独立した事業部門として扱う体制に変更しており、PUMAがこの分野を本格的な成長分野として見ていることが分かります。
したがって、投資家が見るべきなのは、
「HYROXの人気」ではなく「HYROX人気がPUMAの売上・利益に変わるか」
です。
3.PUMAの業績は現在かなり厳しい
ここがPUMA投資の最大のポイントです。
2026年第2四半期の売上高は、
16億9,060万ユーロ
で、為替調整後では前年同期比9.4%減少しました。
まだ売上は苦しい状況です。
しかし、利益面では改善が見られています。
粗利益率は、
46.2% → 48.0%
へ改善。
また、EBITは、
▲1億910万ユーロ
から
▲5,310万ユーロ
へ赤字幅が縮小しました。
さらにフリーキャッシュフローは3億2,880万ユーロまで改善しています。
在庫も前年同期比で15.3%減少しました。
つまり現在のPUMAは、
売上を急拡大させる段階ではなく、まず会社を立て直している段階
と考えるべきでしょう。
4.2027年がPUMA株の重要なポイント
PUMAは2025年を「リセット」、2026年を「移行期間」と位置付け、2027年を再成長の年として考えています。
2026年については、通期でも売上減少が見込まれる一方、下期に向けて改善していく方針を示しています。
つまりPUMA株は、
2026年
「本当に立て直せるのか?」
↓
2027年
「本当に成長へ戻れるのか?」
という投資です。
ここが非常に重要です。
5.PUMAの売上・利益推移
過去にはPUMAは安定して利益を出していました。
しかし近年、業績は大きく悪化しました。
| 年 | 売上高 | 営業利益 | 純利益 |
|---|---|---|---|
| 2021 | 約68億€ | 約5.6億€ | 約3.1億€ |
| 2022 | 約85億€ | 約6.4億€ | 約3.5億€ |
| 2023 | 約86億€ | 約6.2億€ | 約3.1億€ |
| 2024 | 約88億€ | 約6.2億€ | 約2.8億€ |
| 2025 | 約73億€ | 赤字 | 赤字 |
ここから分かるのは、
PUMAが利益を稼げない会社になったわけではなく、業績が急激に悪化した
ということです。
だからこそ、投資家の注目点は、
過去の利益水準へ戻れるのか?
になります。
6.PUMA株は大幅下落している
PUMA株の最大の魅力の一つが、株価の大幅下落です。
2021年末には、
107.50ユーロ
でした。
その後、
2024年末:約44ユーロ
↓
2025年末:約22ユーロ
まで下落しました。
2025年には一時15ユーロ台まで下落しています。
つまり、2021年の高値から見ると、株価は一時約8割下落したことになります。
一方、2026年には株価が15ユーロ台から30ユーロ近辺まで戻る場面もあり、現在は「復活期待」が徐々に株価へ織り込まれ始めています。2026年7月末時点でも、株価は52週安値から大きく上昇した水準にありました。
7.PERは現在あまり意味がない
株価指標を見るとき、まずPERを確認したくなります。
しかしPUMAの場合、現在は注意が必要です。
利益が赤字だからです。
利益がマイナスなら、
PER=株価÷1株利益
を正常な形で計算できません。
したがって現在のPUMAについて、
「PER○倍だから割安」
という判断はできません。
むしろ、
PBR
売上高
粗利益率
EBIT
フリーキャッシュフロー
在庫
2027年の利益回復
を見るべきでしょう。
8.PUMAのPBRはどうか?
PBRは、
株価 ÷ 1株純資産
で計算されます。
PUMAは現在、利益が赤字なのでPERが使いにくい一方、PBRは企業価値を見るうえで参考になります。
ただし、
「PBR1倍以下だから超割安」
という状態ではありません。
したがってPUMA株は、
資産価値に対して安い株
というより、
「業績が復活すれば企業価値が大きく上がる可能性がある株」
として考えたほうが分かりやすいでしょう。
9.PUMAが復活する5つのシナリオ
① HYROXの世界的成長
HYROX人気が続き、PUMAのTraining・Running用品の販売増加につながる。
② Runningの成長
PUMAのNITROシリーズなどがランニング市場で存在感を高める。
③ Sportstyle復活
スニーカーやファッション分野でPUMAが再び人気ブランドになる。
④ 在庫正常化
在庫処分が進み、値引き販売が減少。
→ 粗利益率改善。
⑤ 2027年に利益回復
これが最も重要です。
売上高が増え、
粗利益率↑
EBIT↑
フリーキャッシュフロー↑
となれば、PUMA株への評価が大きく変わる可能性があります。
10.逆にPUMA株が下落する5つのシナリオ
もちろんリスクもあります。
① Nike・adidasとの競争激化
② 世界的な消費低迷
③ 在庫整理の長期化
④ HYROX人気がPUMAの売上につながらない
⑤ 2027年になっても利益が回復しない
特に⑤が最大のリスクです。
現在のPUMA株には、
「将来、業績が回復する」
という期待が含まれています。
したがって、2027年になっても利益が戻らなければ、
「PUMA復活」という投資ストーリーそのものが崩れる
可能性があります。
11.日本からPUMA株を直接買うには?
ここは日本の個人投資家にとって重要なポイントです。
PUMAはドイツ企業なので、ドイツ市場のPUMA株を購入する必要があります。
日本で人気の、
SBI証券
楽天証券
では、現在PUMAのドイツ株を直接購入することはできません。
楽天証券は米国株・海外ETFなどを取り扱っていますが、ドイツ株の現物市場は対象外です。
そのため、
「SBIや楽天でPUMAを買いたい」
という人は注意が必要です。
12.PUMAを直接買うならサクソバンク証券
PUMAを日本から直接購入する方法として候補になるのが、サクソバンク証券です。
サクソバンクでは、PUMAのXetra上場株を直接取引できることが案内されています。
銘柄は、
PUMA SE
Xetra:PUMG
です。
つまり、
日本の証券会社
↓
サクソバンク証券
↓
ドイツ・Xetra市場
↓
PUMA株を直接購入
という形になります。
サクソバンクは欧州株を含む世界の株式市場を取り扱うグローバルな証券サービスを展開しています。
13.「PUMAだけ買うために口座を作る価値はある?」
ここは投資金額によります。
例えば、
10万円程度
しか投資しないのであれば、
為替手数料
+
売買手数料
+
口座管理などの手間
を考えると、効率が良いとは限りません。
一方、
30万円・50万円・100万円
と投資するのであれば、ドイツ株を直接購入できるメリットが大きくなります。
またPUMAだけではなく、
ドイツ株
フランス株
イタリア株
スイス株
など、欧州株を今後も購入する予定があるなら、専用口座を作る意味は大きくなります。
14.PUMA株は今買うべきなのか?
私はPUMAを、
「HYROX人気に乗る株」
とは考えていません。
むしろ、
「世界的スポーツブランドPUMAが、2025~2026年の業績悪化を乗り越え、2027年以降に復活できるかに賭ける株」
だと思います。
現在は、
プラス材料
- 世界的なスポーツブランド
- HYROXとの強力な関係
- Running・Trainingに成長余地
- 在庫15.3%減少
- 粗利益率48.0%へ改善
- フリーキャッシュフロー3.29億ユーロ
- 株価は過去の高値から大幅下落
マイナス材料
- 売上高減少
- 営業赤字
- 消費環境の悪化
- 2026年も移行期間
- PERが使えない
- 2027年の本格的な利益回復がまだ確認できない
という状況です。
まとめ:PUMAは「復活株」として面白い
PUMA株を分析すると、非常に面白い構図が見えてきます。
HYROX人気
↓
Running・Training市場拡大
↓
PUMAブランド強化
↓
在庫正常化・粗利益率改善
↓
2027年に売上回復
↓
営業利益回復
↓
株価再評価
これがPUMAの理想的なシナリオです。
一方で、
2027年になっても売上・利益が回復しない
なら、現在の株価には注意が必要です。
したがってPUMA株は、
「安いから買う」銘柄ではなく、「復活を確認しながら買う」銘柄
だと私は考えます。
特に今後は、
① HYROXの成長
② PUMAのRunning・Training売上
③ 粗利益率
④ 在庫
⑤ EBIT
⑥ フリーキャッシュフロー
⑦ 2027年の売上・利益回復
この7項目を追いかけることが重要です。
そして、日本からPUMA株を直接買う場合は、SBI証券・楽天証券ではなく、ドイツ株を取り扱う証券会社が必要です。現時点ではサクソバンク証券が有力な選択肢になります。
HYROXの成長 × PUMAの業績回復 × 株価の低迷。
この3つが重なるからこそ、PUMAは今後の「復活株候補」としてウォッチしておく価値がある銘柄だと思います。


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